やっぱりか!と思ったら騙された「セカンド・ラブ」感想
乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」、「リピート」に続いて、「セカンド・ラブ」を読みました。
「イニシエーション・ラブ」も「リピート」も単なる恋愛物やSF物ではなく、いきなりサスペンスな展開になるのが面白いです。
▼リピート感想
「セカンド・ラブ」もタイトルとは裏腹にどんな展開が待ちうけているのか、ワクワクしながら読み進めました。
「セカンド・ラブ」概要
1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは...。清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる心。『イニシエーション・ラブ』に続く二度読み必至、驚愕の「恋愛ミステリー」。
感想
感想はもう、やっぱりそうなるか!って感じでした。
前作「イニシエーション・ラブ」で、完全に騙されてしまったせいか、嘘なのか真実なのか常に疑ってかかってしまいます!
前作でトリックがわかった人なら、ある程度までは、簡単にわかってしまうかもしれません。
「なんだやっぱり、そういう事か!!」と思っていたら、まだまだトリックがありました。
2段階目のトリックまでわかった人は、いるんでしょうか?ヒントは出てくるけれど、こんな結末になるとは、思いもしませんでした。
全てを理解して、もう一度最初から読み始めると、最初に読んだ時とは全く違う世界が広がっています。
【ネタバレあり】
この本を読み始めた時の、最初の結婚式シーンと、最後のページを見てからの結婚式のシーンは別視点で見させられます。
主人公の正明視点で考えると、『幸せ』なんて言葉はそこにはありません。
靭いと思っていた自分が、実は一番弱かった。
結婚式の冒頭シーンにこんな場面があります
隣同士でひそひそ話をしている女性客がいて、その内容が正明には聞き取れた。「春香さん、ホントに綺麗よねー」
乾くるみ「セカンド・ラブ」
このシーンには、最初から違和感がありました。
正明が新郎として歩いている状態で、招待客のひそひそ話が聞こえる、というのはどんな状況なんだろうかと、引っかかっていました。