タイムトラベル参考書「リピート」の感想
前作「イニシエーション・ラブ」が面白くて、宣伝通りに2度読みしてしまったので、「リピート」も購入してみました。
タイトルの通り「リピート」という、タイムトラベルが中心の話です
よくあるタイムトラベルだと、些細な変化はあまり気にせず、もう一度繰り返せば、同じ状況になるような設定が多いですね
でも、この「リピート」という本では、少しのズレというものを、かなり意識して作られています
例えば、昨日に戻ったとしても、昨日という日を全く同じように過ごさないと、本来の『今日』は来ない訳です
想像しただけでも、かなり大変です。
映画の「バックトゥザ・フューチャー」とは違って、身体ごと戻るわけではないので、自分と合ってしまう心配はありません。
「リピート」乾くるみ
もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて...。あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作
なぜ、謎の死をとげてしまうのか?
最後までわかりませんでした
感想
タイムトラベルに関して
とにかく、最初の設定づくりが細かくよく出来ています。
例えば、世界の時間がいくつもの「線」で出来ている考えれば、わかりやすいと思います。
今日私たちが、過ごしているのは「線A」そこから、タイムトラベルして戻った先は、今とは別の「線B」になる訳です。
タイムトラベルしても「線A」の自分は生き続けるし、「線B」にいるのも自分であるという事です
そう考えると、「線B」に行ってしまえば、今日までと同じ行動をしなければ、「線A」で見てきた世界にはなりません。
タイムトラベルした一瞬は、過去と同じになるかもしれないけれど、その後はやはり自分の行動次第です。
都合よく、変えたい過去だけを変えるというのは、相当難しいです!
もし、私もタイムトラベルする事になったら、この本を参考にするとおもいます!
読んだ感想
前半の細かいタイムトラベルに関する話から、そのままSF系の話で進んでいくのかと思っていました。
やはり、ただのタイムトラベルでは終わりません!
前作「イニシエーション・ラブ」も表面的に読めば、完全に恋愛物でした。
今回は、後半から雰囲気が一気に変わります。正直、前半部分を読むのには結構時間がかかりましたが、後半に入ってからは、一気に読み進める事ができました。
前半部分が丁寧に書かれているからこそ、後半部分はノンストップで物語が展開していきます!
最後まで読むと、やはり運命を変える難しさがわかります。